返信とリポストは「おすすめ」に出ません|公開されたXのコードで確定
「リプライを送って絡みにいけば伸びる」——よく言われる方法です。
2026年8月14日に公開されたXのソースコードを読むと、この方法には構造的な限界があることがわかります。返信とリポストは、おすすめに出すための候補リストに、そもそも登録されていませんでした。
該当箇所
投稿されたとき、それを「おすすめの候補」として登録するかどうかを決めている処理があります。実際のコードがこれです。
if (isCommunityPost) {
numSkippedCommunity.incr(1) ← コミュニティ投稿:スキップ
} else if (isReply) {
numSkippedReplies.incr(1) ← 返信:スキップ
} else if (isRepost) {
numSkippedReposts.incr(1) ← リポスト:スキップ
} else if (shouldDropPost) {
... ← 安全性の判定にかかった:スキップ
} else {
build1FavIndex(candidate, ...) ← ここで初めて登録される
build32FavIndex(candidate, ...)
buildPostCreationIndex(candidate, ...)
}numSkippedReplies.incr(1) は「スキップした件数を1増やす」という意味です。それだけをして、処理が終わります。
インデックスを作る関数が一度も呼ばれません。
出典: phoenixRankAllCandidateProcessor.strato
図で見る
上から順に判定していって、どれにも当てはまらなかったものだけが索引に登録されます。
登録される索引は3種類です。
| 索引 | 登録条件 |
|---|---|
1fav | いいねが1件以上ついた |
32fav | いいねが32件以上ついた |
post_creation | 投稿された直後 |
いずれも、オリジナル投稿でなければ到達しません。
「インデックスに入らない」とは
おすすめタイムラインは、毎回この索引を検索して候補を集めています。
索引に入っていないということは、検索してもヒットしないということです。点数が低いのではありません。候補として現れる経路がないのです。
つまり、あなたの返信は——
- ✅ フォロワーのタイムラインには出る
- ❌ 未フォローの人のおすすめには出ない
いくら内容が良くても、いくら「いいね」が付いても、この判定は内容を一切見ていません。投稿の種類だけで決まります。
二重に塞がれています
念のため、別の場所にも同じ趣旨の処理がありました。
おすすめタイムラインを組み立てる側に OONRetweetReplyFilter というフィルタがあります。「未フォローの人のリポストと返信を除外する」という意味です。
- 索引に登録しない(入口を塞ぐ)
- 万一入ってきてもフィルタで落とす(出口を塞ぐ)
独立した2つの仕組みで塞がれています。実装の意図として明確です。
検索だけは例外です
ひとつ例外があります。検索用の索引には、返信も登録されます。
理由はコードの順序にあります。
// ① 検索用の索引を作る(この時点では返信かどうかを見ていない)
if (eventSource == Fav && !isCommunityPost && !isRepost) {
buildSearchUnfilteredIndex(candidate, ...)
}
// ② そのあとで、返信かどうかを判定する
val isReply = eventProcessing.isReply(post)
if (...) else if (isReply) { numSkippedReplies.incr(1) }検索用の索引を作る処理が、返信の判定より前にあります。除外されるのはコミュニティ投稿とリポストだけです。
まとめるとこうなります。
| おすすめ | 検索 | |
|---|---|---|
| オリジナル投稿 | ⭕️ | ⭕️ |
| 返信 | ❌ | ⭕️(いいね1件以上) |
| リポスト | ❌ | ❌ |
| コミュニティ投稿 | ❌ | ❌ |
未フォローの人には、もうひとつ壁があります
仮にオリジナル投稿だったとしても、未フォローの人に見せるときは点数が0.75倍されます。
さらに注意が必要なのは、この0.75倍がフォローされている場合でも、返信とリポストには適用されることです。
免除されるのはオリジナル投稿だけです。
実際どうすればいいか
1. 伝えたいことは、オリジナル投稿で書く
誰かへの返信の形で長文を書いても、その文章が新しい人に届くことはありません。同じ内容を独立した投稿として出し直すほうが、届く可能性があります。
2. 引用は返信と別扱いです
引用ポストは新しい投稿として作られるので、索引に登録されます。重みも5.0(いいねの10倍)と高い設定です。
誰かの投稿に反応したいなら、返信より引用のほうが自分のためになります。
3. 返信は「関係づくり」と割り切る
返信が無意味というわけではありません。
- 相手との関係ができる
- 相手のフォロワーの目に触れる
- 検索には引っかかる
ただし「おすすめ経由で拡散する」ことは期待できません。目的を分けて考えてください。
4. 相互フォローの相手への返信は、別の意味で価値があります
相互フォローの相手のオリジナル投稿に返信すると、その相手の投稿の点数が上がります(重み5.0に15.0が加算されて計20)。
自分が伸びるのではなく、相手を伸ばす行為です。これはこれで、関係づくりとしては強力です。
まとめ
- 返信とリポストは、おすすめ用の索引に登録されない
- 内容ではなく、投稿の種類だけで決まる
- 索引登録とフィルタの二重で塞がれている
- 検索用の索引には、返信も入る
- 拡散を狙うならオリジナル投稿、または引用
出典
- phoenixRankAllCandidateProcessor.strato — 索引登録の分岐
- phoenix_candidate_pipeline.rs — フィルタの一覧
- home-mixer/params/param.rs — 0.75倍・重みの数値