Xのシャドウバンは7日で消えます|「解除申請」が存在しない理由
「シャドウバン 解除」で検索すると、いろいろな手順が出てきます。プロフィールを書き換える、しばらく休む、サポートに連絡する——。
2026年8月14日に公開されたXのソースコードを読むと、そのどれとも違う仕組みが書かれていました。
アカウントに付く制限には、7日間の有効期限が設定されています。
userLabelTtlDays: 7
アカウントに制限ラベルを付ける処理の設定に、この行があります。
userLabelTtlDays: 7TTL(Time To Live)は「有効期間」のことです。付与から7日で自動的に失効します。
出典: safety-label-user-agg/postToUserLabelRules.strato
そして解除申請を受け付ける処理は、公開されたコードの中に見当たりません。
つまり設計としてはこうです。
申請して外すものではなく、原因をやめれば時間で外れるもの。
どうすると付くのか
同じファイルに、付与の条件も書かれています。
直近5投稿のうち3投稿に同じラベルが付いたら、アカウント全体にラベルを付ける
投稿1件でいきなりアカウントに影響するわけではありません。割合で判定しています。
逆にいうと、投稿数が少ない時期は3件でも当たりやすい、ということでもあります。
「自分では見えている」の理由
いちばん混乱しやすいのがここです。
表示の判定ルールが、2つのリストに分かれています。
| リスト | いつ使われるか |
|---|---|
| 基本ルール | すべての表示 |
| 推薦専用ルール | おすすめに出すときだけ |
そして、アカウント単位の制限ルールは、ほぼすべてが推薦専用リストに入っています。
結果としてこうなります。
- フォロワーのタイムライン → これまでどおり表示される
- 未フォローの人のおすすめ → 表示されない
- 投稿した本人 → いつもどおり見えている
さらに、投稿ラベルによる非表示ルールには、1つを除いてすべてに exempt_author: true(作者は除外)が付いています。本人には最後まで見えます。
「自分では普通に見えるのに、リーチだけが落ちた」という状態は、これで説明がつきます。
出典: visibility-filtering/rules/registry.rs
X自身の説明文
面白いのは、各ラベルが何をするかをX自身が日本語相当の平易な文章で説明しているファイルがあることです。
一部を挙げます。
| ラベル | Xによる説明(要約) |
|---|---|
SPAM_HIGH_RECALL | 未フォロワーへの推薦から除外される |
DO_NOT_AMPLIFY | 増幅の対象から外される |
NSFW_HIGH_PRECISION | センシティブとして扱われる |
ABUSE_HIGH_RECALL | 推薦から除外される |
NsfwAvatarImage | アイコン画像がセンシティブと判定された |
NsfwBannerImage | ヘッダー画像がセンシティブと判定された |
出典: under-the-hood/strato/lib/underTheHoodLabels.strato
アイコンとヘッダーだけで付くことがあります
下の2つに注目してください。投稿の内容とは無関係に、プロフィール画像だけで判定されます。
投稿を全部消しても直らないケースがあるとしたら、ここが原因かもしれません。
返信は別基準で、もっと厳しいです
他人への返信には、別の判定が走ります。
- スパム度のスコアが 0.97以上(かなり高い水準)
- →
RISKY_HIGH_VIZ_REPLYを 14日間 付与
アカウントラベルの7日より長い設定です。
ただし免除条件があります。
- アカウントの信頼度スコアが高い
- グレーの認証マークが付いている
出典: botmaker-rules(GroxTweetProcessor)
信頼度スコア
アカウントには、0〜100点の信頼度スコアが計算されています。
スコア = 165.2 + 7.07 × log(重み)認証済みアカウントを起点に、フォロー関係をたどって伝播させる方式です(PageRankと同じ考え方)。
54点以上あると、一部の自動的な制限が免除されます。フォロワーが2.5万人を超える場合も同様の扱いです。
言い換えると——
信頼されているアカウントにフォローされていると、有利になる。
出典: user-cred-v2
自分の状態を確認する
Xには「Under the Hood」という画面があり、ここで実際のラベル状況を見られます。公開コードから、何が出るかがわかります。
- 月単位の集計
- 日ごとの「付与された数」「解除された数」
- ラベルごとの内訳
- 同じフォロワー規模のアカウントとの比較(パーセンタイル)
表示されるには条件があります。
- 投稿が10件以上ある
- アカウント作成から1年以上経っている
出典: under-the-hood
結局どうすればいいか
コードから言えることだけを書きます。
1. 待つ
アカウントラベルは7日で失効します。原因になった投稿の傾向をやめれば、放っておいても外れます。
2. 直近5投稿を見直す
判定は「直近5投稿のうち3件」です。過去全部ではなく、直近が見られています。
3. アイコンとヘッダーを確認する
画像だけで付くラベルがあります。見落としやすい箇所です。
4. 返信を減らしてみる
返信には別枠の厳しい判定があります。しかも返信はそもそもおすすめに出ません。
5. 「解除申請」は存在しません
コード上に窓口がありません。手順を有料で売っているものがあれば、根拠を確認してください。
断っておくこと
- 公開されたのはおすすめタイムラインの部分です。検索やトレンドの扱いは含まれていません。
- ラベルの一覧は完全ではありません。型の定義が公開範囲の外にあります。
- 判定のしきい値の一部は、意図的に伏せられています。
- 手動での対応(人が見て判断するケース)については、何も書かれていません。
「7日で失効する」は、あくまで自動的に付いたアカウントラベルの話です。
まとめ
- アカウントラベルは 7日で自動失効
- 付与条件は 直近5投稿のうち3件
- ルールが2つに分かれているため、フォロワーには見えて未フォローには見えない
- 本人にも見え続ける(
exempt_author: true) - アイコン・ヘッダー画像だけでも付くことがある
- 返信は別枠で、14日間
- 解除申請の窓口はコード上に存在しない
出典
すべて xai-org/x-algorithm より。
- postToUserLabelRules.strato — 7日失効・5投稿中3件
- visibility-filtering/rules/registry.rs — 2つのルールリスト
- visibility-filtering/models/mod.rs — 判定の3種類
- underTheHoodLabels.strato — ラベルの説明文
- user-cred-v2 — 信頼度スコア